先日、「ルカシェンコが作り出した中東系移民・難民問題は今?」というエントリーをお届けした。そうしたところ、こちらの記事で、興味深い関連情報が伝えられていたので、これを取り上げておきたい。
とくに、上掲のように、移民・難民の具体的な数をグラフにしたような資料は、個人的に今まで見たことなかった。これは、ベラルーシ・EU国境を突破しようとした移民・難民の週ごとの数を示しており、見づらいが、一番左が7月1~7日、一番右が9月18~24日である。一番下の紫がラトビア、真ん中の赤っぽいところがリトアニア、上の青っぽいところがポーランドを示している。関係がありそうな出来事も上部に示されている。こうやって見ると、不法移民は毎週1,000人前後に上っており(同じ人が何度もトライしたりするのだろうか?)、ちょっと沈静化したとは言えない気もしてきた。行き先がポーランドからラトビアにシフトしているのは、前回紹介したとおりだ。結局ラトビアは9月18日にウルバヌィ・シレネの国境通過ポイントを閉鎖したということである。
今回の記事では、G.コルシュノフという有識者が、次のように指摘している。ベラルーシは移民危機を演出するに当たって、相手国ごとに対応を変えている。ルカシェンコ体制は、ポーランドおよびバルト諸国による共同戦線を、それほど強固なものと受け止めておらず、それぞれ個別の主体と捉えている。ポーランドの強硬姿勢は国内向けのものと見切り、同国とは慎重に和解の道を探っている。リトアニアとの関係はより複雑であり、現状は「中立化の努力」と言える。同国との関係では移民カードは使い果たし、かといって他のネタもない。ラトビアとの関係では、同国に期待するところもなければ、逆に懸念するところもないので、特に同国に働きかけようとはしていない。現在移民の矛先をラトビアに向けているのは、単に消去法的な選択である。コルシュノフは以上のように指摘した。
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