ロシアの漁業、加工産業につき、非常に気になる情報をキャッチしたので、お伝えしておく。
ロシア漁業で、漁獲量が多いのがスケトウダラであり、従来は冷凍した未加工の状態で中国に輸出し、中国の工場で「フィレ」という三枚の状態におろされていたのだが、最近ロシアで船上および陸上の加工設備が整い、ロシア自身がフィレへの加工を行うようになっているということは、以前当ブログでもお伝えした。
それで、こちらの記事が伝えるところによると、ロシアはフィレには飽き足らず、スケトウダラをさらに「すり身」にまで加工し始めているということである。すり身に加工すればもう、カニカマ、フィレオフィッシュなど、我々が良く知る白身魚加工製品まで、一歩手前である。記事によれば、2023年上半期にロシアはアジア市場へのすり身の輸出で米国を追い抜き、トップに立ったということだ。
それだけなら、「まあせいぜい頑張ってね」という話なのだが、問題は、ロシアの魚加工度向上に寄与しているのが、どうも我が国に主権があるはずの北方領土であるらしいという点だ。
こちらのサイトでは、ギドロストロイという大企業が、色丹島にある「クラボザヴォツク」という工場へ投資を行い、その結果、すり身の生産が軌道に乗ったということを伝えている(上掲写真がその模様)。しかもこの記事は、「何年か前に日本の技術を用いてすり身を生産しようとしたが、その試みは失敗した」などと、まるで日本の技術に問題があったかのような書き振りになっている。また、記事によれば、択捉島にも同様の工場が建設中であるという。
他方、ロシア動植物検疫局のこちらのページには、ロシアの各水産加工工場がどんな生産に取り組んでいるかが記されている。これによれば、すり身を生産しているのは、くだんのクラボザヴォツク工場のほか、沿海地方プレオブラジェニエ町のプレオブラジェニエ・トロール船団、ハバロフスク地方ソヴィエツカヤガヴァニ市のヴォストークルィブプロム社となっている。
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