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 古巣のロシアNIS貿易会がまとめた日露貿易の統計を眺めていて、ちょっと気になったことがあった。日本はロシアに厳しい制裁を科しているはずなのに、今年に入って、4月以降、日本の対ロシア輸出が、前年同月の水準を上回って推移しているのである。まあ、その最大の原因は明らかであり、昨年2月の侵攻ショックを受け、昨年4月以降の日本の対露輸出はしばらくきわめて低い状態が続いたので、ある程度持ち直して以降は、ベース効果により、その水準を上回っても、不思議ではない。

 そして、今年に入って、4月から7月にかけて、日本の対露輸出がかなり堅調だったのには、もう一つの要因がありそうだ。上図に見るとおり、この間、中古車の輸出が拡大していたのである。元々好調だった上に、8月から中古車輸出にも制限がかかるという情報が流れ(実際8月9日から1900cc以上の車、EV、ハイブリッド車の輸出が禁止された)、駆け込み需要が続いたと見られる。7月に至っては、日本の対露輸出の実に71%が中古車だった。

 依然として1900cc未満のコンパクト中古車の輸出は可能ではあるが、8月以降は中古車輸出の数字も落ち込み、それに伴い日本の対露輸出額全体も押し下げられることになるのではないか。


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