今となっては、ロシアに投資するバカなどいないわけで、ロシアの経済特区の話題など、日本で関心を持つ人はいないかもしれない。しかし、私はロシアの経済地理を研究テーマの一つとしていて、昔はロシアの経済特区に関する論文を書いたりもしたのだ。その行きがかり上、西シベリアの油田地帯として知られるハンティ・マンシ自治管区に経済特区が創設されるという話題を取り上げておく。
そもそも私は見逃していたのだが、昨年暮れに出たロシア経済発展省のこちらのニュースで(日本からは閲覧できないが)、くだんの経済特区創設が決定したということが伝えられていた。ちなみに、ロシアでは連邦法にもとづく経済特区の担当官庁は経済発展省であり、同省が各地域と協定を結んで特区の創設を決める。特区にはいくつか種類があり、今回創設が決まったのは工業生産型特区である。特区の名称は創設地にちなみ「ニャガニ」と名付けられているが、あのシャラポワの生誕地ですな。
そして、最新のこちらの記事が、特区の進捗状況につき伝えている。このほど特区の建設作業が始まった。すでに5社の投資家と投資協定を結び、その総額は240億ルーブルとなっている。特区の面積は270haで、将来的に1,000ha規模への拡張も見込む。特区では大掛かりな輸入代替プロジェクトが見込まれており、ロシアのデジタル主権の確保、石油採掘の新たなテクノロジーの開発を目指す。特区は2025年までには稼働し、2032年までに737人分の雇用を生むと期待されている。
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