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 ロシアが始めた戦争の余波で、ウクライナから黒海を通じた農産物輸出が限定され、余剰農産物のかなりの部分が陸路により近隣の中東欧諸国に流入していた問題。ポーランド等の中東欧諸国がウクライナからの農産物輸入を禁止するという非常手段に訴え、EUとしての結束が乱れていたが、EUはどうにか本件に関する妥協的解決策を見出した。

 一方、ウクライナと同じくEU加盟候補国であり、ロシアの侵略に関してはウクライナと連帯する姿勢を示しているモルドバも、ウクライナからの農産物流入で苦しんでいる点は同じのようだ。こちらの記事によれば、モルドバの農業団体「農民の力」は、EU加盟中東欧諸国の例に倣い、モルドバもウクライナからの小麦、とうもろこし、ひまわりの種、菜種の輸入を一時的に禁止するよう、政府に陳情した。さもなくば、モルドバは農民たちの抗議活動で埋め尽くされるだろうと、同団体は警告した。同団体では、この状況は、モルドバ農民を苦しめているだけで、ウクライナの助けにはまったくなっておらず、国民の欧州統合支持率を低めてしまうだけだと指摘した。

 こちらの記事が、モルドバ政府の対応方針につき伝えている。モルドバ政府、農業省、農業生産者団体は、ウクライナからの穀物輸入量を、1日置きにモニターしている。もしも国内の倉庫に収めきれないほど大量の流入があった場合には、政府は国内生産者の利益に沿って事態をコントロールすることになる。政府はまた、燃料、肥料の高騰に苦しんでいる農家を支える支援策も検討している、という。


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