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 昨日の話の続きになる。開戦後、ロシアは貿易統計の発表を全面的に取り止めていたが、今般、大づかみな商品分類のみではあるが、税関局が2022年の輸出入動向のデータを発表した。なお、税関局は今後毎月、同様のデータを発表するということであり、すでに2023年1月のデータも出ている。こうなると問題は、日本からはロシア税関局のウェブサイトにアクセスできないことだが、まあそれは何らかの方法で根性閲覧するしかない。

 ちなみに、関連の情報を収集していて、こちらの記事が目に留まった。これによると、昨年、ロシア当局が貿易統計の発表を止めたあと、ロシア税関局の現職および元職員たちが、通関統計データを違法に売買する動きが広がったという。道理で、西側の情報筋が、「ロシアの通関統計によれば」などと称して、機微な品目の取引について論じたりしていたわけだ。

 さて、ロシア税関局だけでなく、ロシア中央銀行も、商品輸出入データをこのほど発表した。そこで、最新の2023年1月分までを反映した形で、上図を作成した。ロシア中銀は、2022年の商品+サービス輸出入額は以前にも発表していたが、晴れて商品に絞ったデータも得られることになったわけである。税関局の統計では、2022年の月別輸出入額が不明だったので、その意味で重宝する。なお、税関局発表の通関統計ベースの輸出入額と、中銀発表の国際収支ベースの輸出入額とは、微妙に齟齬がある(魚介類の洋上取引など、通関統計にはすべての輸出入が記録されるわけではないので、それを補正して国際収支ベースの輸出入額が算出される)。

 上図を見て気付くのは、2022年12月5日にEUのロシア産原油禁輸とG7主導の価格上限制が発効したが、12月の輸出額は季節的要因ゆえかむしろ大きく膨らんでおり、1月になって急減したという事実である。


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