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 習近平訪ロを前にして、3月19日付でプーチンが『人民日報』に、20日付で習近平が『ロシア新聞』に、それぞれ二国間関係に関する論文を掲載するというエールの交換があった。プーチンは、オリジナルはこちらのはずだが、中国語はダルいので、クレムリンHPに出たロシア語訳を参照した。一方、習近平寄稿はこちらのサイトで読むことができる。初めて知ったが、人民日報にはロシア語版もあり、こちらのページにくだんの習近平論文が出ていた。

 全体的な印象としては、習近平の方が一般論を淡々と述べるだけという感じであるのに対し、プーチンはやはり先方が頼みの綱ということで、より具体的で踏み込んだ書き振りとなっている。

 私は経済のことを調べているので、その関連が気になるわけだが、両国は2024年までに往復で2,000億ドルの貿易額を達成するということを目標に掲げている。今回の習近平論文では2022年の実績は1,900億ドルだったとされているのに対し、プーチン論文では1,850億ドルだったとされている。これは、それぞれが自国の貿易統計にもとづいて言っているのだろう。ただ、細かすぎる話だが、2,000億ドルを達成したか否かを判断する際に、どちらの統計を使うのかというのは、ちょっと気になった。

 経済分野でも、やはりプーチンの方が具体的なプロジェクトにも言及していて、力が入っている。プーチンによれば、露中貿易は額が増えているだけでなく人民元およびルーブルで決裁される比率が増えてより「主権的」になっており、ガスパイプライン「シベリアの力」は掛け値無く「世紀の契約」であり、石油や石炭の供給も増えており、ロシアが参加して中国で原子炉が建設中で、中国企業はロシアのLNGプロジェクトに積極的に参加し、鉱工業・農業の協業が強化され、宇宙開発や新技術の協力もあり、アムール川を越えて建設された2つの橋は文字通りの架け橋で、一帯一路とユーラシア経済連合のコーディネートもなされている、といった具合である。

 それに比べると、習近平も一帯一路とユーラシア経済連合のコーディネートといったことには触れているが、やはり全体としてあっさりしている。


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