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 このほど、Wedge ONLINEに、「経済制裁してもロシア人の生活に影響が少ないのはなぜ? 穀物生産国に見えて実は不安定なロシアの食料安全保障」と題する論考を寄稿した。かなり力を入れて書いたものなので、ぜひご一読いただければ幸いです。

 このレポートでは、物価統計についての考察がキモになっている。私自身、普段はロシアの消費者物価指数という、大きなくくりの指標にしか目を向けていなかった。それを、今回初の試みとして、食品・非食品・サービスという内訳を示し、なおかつそれらの主な品目の価格動向を図示することで、ロシアの物価に潜む様々なニュアンスにつき気付きを得ることができた。ロシアの物価における季節要因についても、改めて考えさせられた。

 なお、文中で記しているように、サービスの中でも、暖房費、電力料金は階段状の変動を示している(上図参照)。これは、政府により統制されているからである。政府は物価全般に合わせて、原則的に半年に一度、公共料金の見直しを行っている。2022年12月の引き上げで、暖房費は侵攻開始前から13.9%増に、電力料金は13.5%増になった。

 そして、ロシア政府は現行料金で1年半据え置き、次の値上げは2024年7月になるとしている。これはどう考えても、露骨な大統領選対策であろう。つまり、光熱費をしばらく据え置いて、2024年3月の大統領選を乗り切り、ほとぼりが冷めたところで、満を持しまた値上げするということなのだろう。


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