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 ロシアの石油輸出に関しては、ウラル原油の輸出動向やその価格が注目されることが多いが、太平洋パイプラインでアジア市場に運ばれるESPOは、ウラルとは異なる動きを示している。こちらの記事がそのあたりを論じているので、以下要旨をまとめておく。

 2022年12月のEU禁輸発効と価格上限制の始動により、ウラル原油のブレントに対する値引き幅は拡大した。ウラルはロシアの欧州部港湾から輸出され、従来は欧州に向かっていたものが、現在は約1ヵ月もかけてアジアに向かっている。

 ESPOは、ウラルとは異なり、ブレントに対する値引き幅が小さい。ESPOは低硫黄であり、パイプラインで直か、またはコジミノ港から輸出され、海路でも5日ほどでアジア市場に運ばれるからである。

 ESPOはウラルに対して1バレル当たり20ドルも高い。2023年1月の場合、ウラルのブレントに対する値引き幅は34.6ドルだったが、ESPOは11ドルほどだった。ESPOはドバイ原油にリンクして値が動いている。

 ESPOを輸出している主な会社は、まずロスネフチであり、それにスルグトネフチェガス、ガスプロムネフチが続き、ルクオイルは小規模である。彼らは、ESPO価格で輸出し、課税はウラル価格をもとになされるので、その差の分、利益を被っている。ただ、政府の財政不足により、見直しがなされるかもしれない。


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