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 こちらの記事が、ロシアの1月の石油輸出動向を伝えているので、軽くまとめておく。

 1月にロシアの主力であるウラル原油の価格は2.8%下落し、1バレル当たり54.22ドルとなった。ウラル原油はブレントと連動しているので、これは想定内である。

 ヨーロッパ・ロシア部の積出港であるプリモルスク、ウスチルガ、ノヴォロシースクからの出荷は、1月に過去数ヵ月で最大となり、950万tを超えた。アジアの旺盛な需要と、タンカーへのアクセス改善が、それを促した。

 1月に、バルト海のウスチルガ港からのロシアおよびカザフ原油の積出は、740万tに高まった。この統計にカザフスタンも含まれていることから、ロシアは一部の出荷を制裁から外すことができる。カザフはロシアのパイプラインを通じて同じウラル原油を販売しており、それは文書上はKERCOと表記される。その大部分はカスピパイプラインコンソーシアムを通じてノヴォロシースクから積み出される。

 ウラル原油のFOB価格は1月31日現在で、プリモルスクでは49.50ドル、ノヴォロシースクでは47.73ドルである。

 現状のウラル原油は「財政ルール」で設定された45ドルより高く、輸出量の拡大によって歳入が拡大できる。ロシアは現在、価格を犠牲にして量を志向している。ただ、今後ロシア産石油製品にもEUの禁輸が及ぶので、ロシアとしてはさらに耐え忍ばなければならない。

 ロシアの極東原油でも価格下落が続いており、1月にはESPOが2.1%低下して72.35ドル、ソコルが2.5%低下して77.01ドルとなった。


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