
ロシア中央銀行はこのほど、2022年の国際収支統計の推計値を発表した。まだ暫定的な数字である上に、以前に比べて極端に簡略な統計となっている。ともあれ、そこに示された経常収支を反映し、ロシアの長期的な経常収支の推移を図示すると、上のグラフのとおりとなる。
結局、2022年は、2,274億ドルの黒字。以前からあちこちで申し上げてきたとおり、まさに「制裁下の焼け太り」の様相である。ちなみに、12月は石油市場の異変で苦しんだロシアだったが、一応12月単月でも黒字は維持した模様である。とはいえ、カネはあるのに、国際的な制裁網で、必要なものを輸入できないがゆえの大幅黒字であり、まさに悪い黒字としか言いようがない。
今般、ロシア中銀が発表したのは、下に見るような、本当に簡略な統計である。ロシア統計局、税関局が貿易統計を発表しなくなったので、それに近い統計が得られるものとして、中銀の国際収支表に期待したいところだ。だが、中銀が現在発表しているのは、商品だけの輸出入額ではなく、商品+サービスの輸出入額なので、やはり不満しか残らない。
一応記しておくと、2022年の商品+サービの輸出は6,281億ドル、輸入は3,458億ドル、収支は2,823億ドルの黒字であった。

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