こちらの記事などが、2022年のウクライナによるロシア産天然ガスの欧州向けトランジット輸送実績について伝えている。
国際経済連携推進センター 産經新聞出版 2023年01月
記事によると、ウクライナによるトランジット輸送は、2021年の416億立米から、2022年の203.5億立米へと、ほぼ半減した。ロシアは2020~2024年の輸送契約で、年間400億立米の輸送を契約していたが、2022年にはその半分ほどしか利用しなかった。同契約には、テイクorペイ条項が含まれており、これはロシアが利用の有無にかかわらず400億立米分の輸送料を全額支払う義務があることを意味する。
というわけで、ウクライナ側はこのような立場をとっているわけだが、以前当ブログの「天然ガス輸出路の選択肢が狭まるロシア」でお伝えしたとおり、ロシアからウクライナ領に流入する2つのルートのうち、ウクライナ側が開戦後にルハンシク州経由のルートを閉鎖したという経緯があった。これによってもウクライナのトランジット量が低下したことは疑いなく、その場合にテイクorペイ条項が適用されるのかは微妙という気もする。
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