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 こちらなどが伝えているとおり、ウクライナ政府は11月6日、一連の戦略重要企業を戦時に限り一時的に国防省の傘下に置くことを決めた。以下で企業ごとに見ていくことにしよう。

 まず、モトルシチ社。ザポリージャに所在するエンジン工場であり、かつてロシア製ヘリコプターも全面的に同社のエンジンを搭載していたことで知られる。2014年以降はロシアへの供給は停止されていたはずだったのだが、第三国を経由してロシアへの供給が続いていたことが先日発覚し、社長のV.ボフスラエフ氏が国家反逆罪のかどで逮捕されるという衝撃の出来事があった。あろうことか2月24日以降もロシアとの協力は続いていた由であり、ロシアではなくウクライナ軍と協力させるために、今回の措置は妥当だろう。

 次に、ザポリジトランスフォルマトル社。やはりザポリージャに所在し、上掲画像のとおり、変電所等の電力設備を生産している。ロシアの攻撃で電力インフラが破壊されているところなので、その関係で国防省管理ということになったのだろう。

 自動車メーカーのアフトクルアズ社。ポルタヴァ州クレメンチュークに所在する軍用車等の大型自動車のメーカー。確か、以前クレメンチュークのショッピングセンターが空爆された際に、同工場の誤爆ではないかと、話題になったことがあったように思う。

 ウクルナフタ社は、国営ナフトガス社の傘下にあるが、I.コロモイスキーのプリヴァト財閥も一部出資している石油・ガス採掘、加工、石油製品販売の会社である。国防省の管理下に置くのは、軍が使うガソリン、軽油などを確保する目的か。

 最後に、ウクルタトナフタは、要するにクレメンチューク製油所のことである。最近までウクライナで唯一稼働している製油所だったが、今般の戦争で4月にロシアから爆撃を受け、以降は生産は行われていないはずである。


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