こちらの記事によると、2022年のロシアの穀物収穫は、史上最高の豊作となる見通しである。
農産物市場市況研究所の予測によれば、穀物収穫は1億3,850万tとなる見通し(うち9,050万tが小麦)。前回予測の1億3,350万tから上方修正された。それを踏まえた2022/23年度の穀物輸出能力は5,610万t、うち小麦が4,400万tとなる。
一方、別の調査会社「プロゼルノ」による収穫見通しは1億3,620万t、業界団体のロシア穀物同盟による見通しは1億3,900万tとなっている。
ただし、こちらの記事などが伝えているように、対ロシア経済制裁の余波により、ロシアの小麦を本格的な規模で輸入している国は、現状で12ヵ国にまで減ってしまっている。12ヵ国の顔触れはエジプト、イラン、トルコ、イスラエル、リビア、サウジアラビア、ジョージアなどで、これらの国は直近でロシアの穀物を積極的に買い増している。
しかし、史上最高の豊作で得られる穀物を売りさばくためには、12ヵ国では売り先が少なすぎる。今般、ロシアが国連・トルコの仲介に応じ、ウクライナ産穀物の輸出再開合意に応じたのには、それと並行して国連および欧米からロシア産穀物(および肥料)の輸出増への協力を取り付けるという狙いがあったことは間違いないだろう。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします