ロシアが貿易統計を発表しなくなり、同国の貿易動向については間接的な情報から推察するしかなくなってしまった。

 その際に、有力な手段の一つは、貨物輸送量を参照することである。こちらのサイトに、2022年第2四半期(4~6月期)のロシアの港湾取扱貨物量が出ている。

 2022年第2四半期の貨物量を、前年同期比の増減率でまとめてみたのが、下図となる。上段が水域別、下段が貨物種類別となっている。

 ちなみに、ロシアの港湾貨物量の特徴は、重量ベースで見れば、輸出貨物が圧倒的に多いことであり、下図に登場する貨物は基本的にすべて輸出貨物であると理解していい。唯一、コンテナだけは、輸入が主流のはずである。

 下図を見て、なるほどと納得できるところもあれば、やや意外な点もある。分かりやすいのは鉄であり、鉄鋼の輸出が不振になった分、鉄鉱石が余って、その輸出が増えたのであろう。穀物、肥料の輸出がこんなに増えているのは意外だった。石油は、ヨーロッパ向けのパイプライン輸出が減った分、港から積み出すタンカー輸出が増えたという形か。輸入が壊滅しているし、コンテナ船のロシア港湾立ち寄り拒否もあり、コンテナが激減するのは道理。

 水域別では、むしろ極東が健在で、黒海の減少が大きいのかと思っていたのだが、そうでもなかったか。カスピ海は元々そんなに規模が大きくないので、ちょっとのことで振れ幅が大きくなりがちであり、大した意味はないだろう。

180

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ