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 こちらに見るように(ルーマニア語のみだが)、モルドバのimasという機関が、4月に同国で実施した世論調査結果を発表したので、地政学的な設問のみ軽く紹介することにする。

 「モルドバ指導者の外交政策の方向性はどうあるべきですか?」と問うたところ、上図のとおり、親欧州:30%、親ロシア:16%、ロシア・欧州の双方にバランスのとれた路線:43%、ルーマニアとの統一:7%、分からない・無回答:4%、という結果だった。

 次に、「来週の日曜日に、それぞれについて問う国民投票が行われた場合、賛成しますか、反対しますか?」と問うたところ、下図のような結果となった。なお、選択肢は、左から、濃いブルーグレーが賛成する、薄いブルーグレーが反対する、薄い黄土色が投票に参加しない、濃い黄土色が分からない・決めかねている、グレーが無回答となっている。問われているのは、上から、EU加盟、ユーラシア経済連合加盟、ルーマニアとの統一、NATO加盟である。

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 全体として、モルドバ国民の間では対ロシア/ユーラシア統合よりもEU加盟論の方が優勢であることは明白である。ただし、ウクライナのように確固たる地政学的選択というよりは、「なんとなく欧州路線の方が魅力的だ」というくらいのニュアンスと受け取れる。なので、たとえば欧州寄りの路線を打ち出すことで、ロシアに値上げされて天然ガスの価格が急騰したりすると、欧州選択が揺らいでしまう危うさもある。そして、サンドゥ大統領をはじめ、政権エリートが密かに志向しているルーマニアとの国家統合については、やはりまだ機は熟していないようだ。


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