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 ロシアは、2月24日にウクライナへの軍事侵略を開始する前段として、2月21日に自称ドネツクおよびルガンスク人民共和国(DNR、LNR)の国家承認を強行していた。ウクライナ全土に侵略するのなら、その前に何故わざわざDNR・LNRの国家承認を行ったのかが謎だったが、この両地域についてはおそらくクリミア型のロシア連邦編入が想定されていると考えるのが、自然であろう。実際、その後、DNR・LNRの指導者が、ロシア連邦への加入を問う住民投票を実施したい旨を述べるようになっている。

 私がこの問題につき非常に気になっている理由は、もしもDNR・LNRがロシア加入ということになったら、その時点でウクライナとの和平が完全に不可能になってしまうからである。ゼレンスキー政権も、ドンバスの帰属を一時的に棚上げしてもいいとは言っているが、ロシア編入となれば棚上げどころではなくなり、もうロシアとウクライナの妥協の余地は一切なくなってしまう。

 これに関連し、こちらの記事の中で、ロシア連邦下院のV.ヴォドラツキー議員(上掲写真)がコメントしているのを見付けたので、酷い内容ではあるが、発言要旨をメモしておく。なお、ヴォドラツキーは与党「統一ロシア」所属で、下院のCIS・ユーラシア統合・同胞関係委員会で第一副委員長を務めている。

 ヴォドラツキー氏いわく、DNRとLNDのロシア加入に関する住民投票を行うのは、早くても1年後でいい。その前に、いくつかの準備段階を完了させる必要がある。投票を急ぐ必要はない。DNRとLNRの元々の領域内がナチスから解放された後、有能な地域当局、社会サービスを回復し、8年間洗脳されてきた子供たちのために新しい教育プログラムを開発し、インフラ、住宅、社会施設の回復に着手する必要があり、それが終わって初めて国民投票を発表することができる。99.9%の住民がロシア連邦への加入に賛成票を投じるはずだ。しかし、その前に、すべての組織的な段階を経る必要がある。ヴォドラツキーはこのように述べた。


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