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 ここ何日か、ロシアの東シベリア/極東から中国に天然ガスを供給する上でのパイプラインについて調べていた。こちらに出ていた地図が分かりやすいので、それに日本語をあててみた。

 現在、中国向けのガス供給が行われているのは、2019年12月に稼働した「シベリアの力」パイプラインであり、その輸送容量は年間380億㎥だが、まだフル稼働には遠く、2021年には100億㎥あまりの供給に留まった。資源基盤のチャヤンダがそれほど潤沢でないこともあり、イルクーツク州のコヴィクタ・ガス田からもガスを持ってくる必要がある。チャヤンダとコヴィクタを結ぶパイプラインが現在建設中で、2021年11月の時点で半分程度の工事が完了し、今年中の稼働を目指している。

 今般プーチンが訪中して100億㎥の追加供給が決まったが、これはシベリアの力経由ではなく、サハリン沖で採掘されたガスを既存のサハリン~ハバロフスク~ウラジオストクパイプラインで運んで、パイプラインをさらに中国まで延伸し供給するという話である。供給は2~3年後に始まり、2026年頃に100億㎥達成を目指す方針である。

 ロシアにとって主力のガス産地は、ヤマロ・ネネツ自治管区である。従来、そのガスをアジアまで運ぶパイプラインは存在しなかったが、現在それを整備するプロジェクトが推進されている。それが「シベリアの力2」というもので、500億㎥の輸送量が想定されているので、これができれば既存ルートとあわせ将来的にロシアのパイプラインガス輸出の半分ほどが中国に向かう可能性がある。ただ、本件については、経由国のモンゴルとの合意は成立しているものの、中国との交渉につき具体的な動きは伝えられていない。


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