f2

 当ブログでは既報のとおり、ロシアとベラルーシは連合国家という統合の枠組みを作っていることになっており、それを深化させるための28項目にわたる「連合プロジェクト」というものを、先頃制定した。最終的には11月4日に連合国家の最高国家評議会という会合が開催され、そこで正式採択された。

 だが、困ったことに、現在までのところ、連合国家最高国家評議会指令「2021~2023年の連合国家創設条約の諸規定実現の基本的方向性について」が布告され、そこで28項目が正式決定したと発表されているだけであり、肝心のその指令のテキストは、まだどこにも出ていないのである。

 しかし、色々検索してみると、指令のテキストを写したニュース映像の画像は、ネット上でちらほらと見かけた。特に、ベラルーシ大統領機関紙サイトのこちらのページに出ている画像は、まあまあ読める程度の画像である。自分にとっては重要な研究分野なので、この画像から無理やりテキストを判読し、以下翻訳してみることにした。

連合国家最高国家評議会指令「2021~2023年の連合国家創設条約の諸規定実現の基本的方向性について」

 1999年12月8日付の連合国家創設条約を実現し、また連合国家構成国の法令を統一・調和化・接近させる目的で、連合国家最高国家評議会は以下のとおり決定する。

 1.付属文書にある「2021~2023年の連合国家創設条約の諸規定実現の基本的方向性」と、基本的方向性の不可分の一部である「連合プログラム」を承認する。

 2.ベラルーシ共和国政府とロシア連邦政府、またベラルーシ共和国国民銀行およびロシア連邦中央銀行は、「基本的方向性」の実現と、「連合プログラム」でうたわれている措置の実行を保証する。

 3.ベラルーシ共和国政府とロシア連邦政府、またベラルーシ共和国国民銀行およびロシア連邦中央銀行は、所定の方式で毎年第2四半期と第4四半期に、それらの実施状況に関する情報を、連合国家閣僚会議に提出する。

 4.ベラルーシ共和国政府とロシア連邦政府、またベラルーシ共和国国民銀行およびロシア連邦中央銀行は、「基本的方向性」には盛り込まれていない連合国家創設条約のその他の条項の実現のための合意された提案を、2022年12月31日までに、連合国家閣僚会議に提出する。

 5.本指令は、署名の日から発効する。

 連合国家最高国家評議会議長 A.ルカシェンコ

 以上が、ニュース映像から判読した指令の本文である。しかし、肝心の付属文書までは読めないので、やはりその具体的中身はうかがい知れない。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ