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 恒例により、ロシアの石油生産・輸出量のグラフを上掲のとおり4月まで更新したが、こちらの記事が最新の概況につき伝えている。

 記事によると、OPEC+の合意により、ロシアは石油生産量を日量1,017万バレルに抑制することになっているが、実際には4月の生産量は日量1,046万バレルだった。2021年1~4月の生産量は1億6,794万tで、前年同期比10.1%減であった。

 大きく落ち込んでいるのは、旧ソ連諸国以外の「遠い外国」への輸出であり、1~4月のそれは6,665万tで、前年同期比20.5%減であった。

 それに対し、国内の製油所向けの供給は1~4月に9,297万tであり、前年同期比4%減と小幅な縮小だった。

 顕著なのは、旧ソ連域内の「近い外国」への輸出が大きく伸びたことである。1~4月には近い外国に492万tが供給され、前年同期からほぼ倍増した。

 記事には書いてないが、近い外国への伸びは、ベラルーシ要因に尽きるであろう。というのも、ロシアから近い外国向けの石油輸出は、大部分がベラルーシ向けだからである(その他の国向けにはロシアは主に石油製品を輸出している)。そして、ロシアとベラルーシの政治対立から、2020年第1四半期にはベラルーシ向けの供給がゼロに近くなった。それが、現在は平常に復帰しているので、結果的に今年に入って急増した形になっているのだろう。


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