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 ベラルーシでは、2020年11月に同国初となる「ベラルーシ原発」の1号機が稼働した。しかし、稼働の翌日には機器の不具合が発生して1号炉が停止、数日後に再稼働したものの、今年に入って1月にまた停止と、不安定な運転が続いている。

 結局、2020年にベラルーシ原発はどれだけの発電を行ったのだろうか? それを確認すべく、ベラルーシ統計局の統計類を色々と見てみたのだが、今のところそのデータは見当たらない。普通の国は、発電量の統計を発表する際に、火力・水力・原子力といった内訳を示すものである。ところが、ベラルーシの場合は、従来ほぼ100%火力だったので、トータルの発電量の数字が出るだけで、ことさらにその内訳を示すということは、あまり積極的になされていなかった。2020年の発電量に関しても、上掲のグラフに見るように、トータルで381億kWhという数字は発表されているが、その内訳は不明である。まだ原発の発電量が微々たるものだから、統計数値として取り上げるほどではないということなのか、それとも政権肝いりの原発プロジェクトが安定的な数字をたたき出すまでは数字が伏せられるということなのか、現時点では何とも言えない。注視を続けたいと思う。

 それにしても、上図のように整理してみると、ベラルーシの発電量は意外と年ごとの変動が大きい。2020年の発電量は前年比マイナス6.0%であり、一般に発電量は経済活動に比例するということを考えると、2020年のベラルーシのGDPがマイナス0.9%とごく軽微な落ち込みと発表されていることが、ますますウソ臭く思えてくる。


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