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 商売柄、自分の研究分野についての新刊などは常にチェックするようにしている。その際に、安直だが、Amazonの検索で、「本」のジャンルを選び、「ロシア」というキーワードで検索をしてみるというのが、常套手段である。

 ところが、実を言うと、Amazonの検索はこの用途では使いにくく、最近ますます酷くなってきたように感じる。ロシアというキーワードで検索すると、ロシア美女のセクシー写真集の類がやたら数多くヒットする。また、当方は「本」のジャンルで検索しているのに、ロシアのカレンダーくらいまでは許せるとしても、「ロシア産ほっけの開き」の類まで表示されてしまう。最近、さらに困ったことに、「ロシア」というキーワードで、ロシアで発行されたロシア語の本までもが大量に表示されるようになってしまった。そんなこんなで、Amazonの検索は、ちょっとでも関連するあらゆるものを表示するので、「日本で発行されたロシアについての最新書籍を検索したい」というニーズには、甚だ不向きになっていると実感している。

 私が至った結論は、単純な検索という用途には、楽天ブックスの方がはるかに向いているということである。楽天ブックスで「ロシア」と入れて、「新しい順」に設定すれば、ずばり私の知りたい「日本で発行されたロシアについての最新書籍」が秩序立って表示され、大変結構である。

 似たような話だが、今般、私は「地経学」という術語について学びたいと思い、まずはAmazonで書籍検索してみた。私は、そのものズバリ、タイトルに「地学」と入っている本を知りたいのだけれど、Amazonは頭が良すぎるというかお節介というか、むしろ「地学」というタイトルの本を推してくる。中でも、北岡伸一・細谷雄一(編著)『新しい地政学』(東洋経済新報社、2020年)が一押しという雰囲気だった。チェックしてみたところ、この本には田所昌幸「武器としての経済力とその限界ーー経済と地政学」という章もあるので、本全体のタイトルには入っていないが、本の随所で「地経学」という術語の言及もあるのだろうと想像し、電子版を購入してみた。ところが、実際にはこの本には「地経学」という言葉は一箇所も出てこなかった(電子書籍を文字列検索したので、間違いはないだろう)。この本自体はむろん非常に学ぶところの多い有益なもので、買って損はなかったが、Amazonで「地経学」というキーワードで商品検索し、上位に表示された書籍に、実際には「地経学」という言葉が一箇所も出てこないというのは、ちょっと考え物ではないかと思ってしまった。

 それに対し、ここでも、楽天ブックスで検索した方が、本のタイトルに「地経学」と入っているものを素直に並べてくれるので、個人的にはその方が助かる。


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