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 ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ氏は、今年1月に首相の座を追われ、安全保障会議副議長という、実権が不確かなポストに異動になった。当時の受け止め方としては、これによって同氏はすっかり影響力を失い、閑職をこなすだけという見方も多かった。

 しかし、最近出たこちらの論評記事では、最近メドヴェージェフ氏の政治的立ち位置が変わったこと、政治制度変更により同氏に新たなキャリアの可能性が生じたことを論じている。

 記事によると、12月4日に下院の国家建設・法制委員会が了承した法改正案により、連邦上院に関する新法が発効した時点で、それ以前に大統領職を務めた人物は、いつでも終身上院議員への就任を申し出ることができるようになる。これにより、メドヴェージェフは来たる下院選で与党「統一ロシア」を率いて戦い、下院に進出してもいいし、それと同時に上院での可能性もキープできることになった。

 他方、メドヴェージェフは大統領在任時には、反欧米的な言動は避け、オバマ米政権とのリセットを推進した。米国との対立は避けつつ、日本との領土問題という些末な問題で強硬姿勢を示しただけだった(注:服部の意見ではなく原文にそう書いてあるので悪しからず)。しかし、最近の宗教・民族問題に関する会合でメドヴェージェフは、外国の組織やロシアのNGOが及ぼしうる脅威について警告、内務省と連邦保安局にこの分野で存在する脅威のリスト作りを命じた。また、先日メドヴェージェフは、欧州委員会がロシアによるフェイクニュースの拡散を警戒する姿勢を示したことを、厳しく非難した。このようにここに来てメドヴェージェフは、反西側的な立ち位置を鮮明化しつつある。


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