Eurasia

 一般の方はまずご関心はないだろうと思われるテクニカルな話で恐縮である。

 以前、当ブログで「『ロシアと韓国がFTA』という怪情報」というエントリーをお届けしたことがある。ロシアと韓国が自由貿易協定に関する交渉を開始するというのだが、ロシアはユーラシア経済連合に通商に関する権限を委譲しているはずであり、ロシア一国が韓国とFTAなどというのは原理的にありえない話で、これはおそらく投資とサービス貿易の自由化という意味ではないかと、その時には記しておいた。

 実は今般、私のその見立てを裏付ける情報を見付けたので、メモがてらそれを取り上げようと思い立った次第である。それは、2019年6月に出たこちらの記事である。

 記事によると、投資やサービス貿易は(ユーラシア経済連合ではなく)構成各国の独自裁量領域であり、それゆえにロシアは韓国とその自由化に関する協定の交渉を開始したとされている。また、記事によれば、貿易円滑化、Eコマース、知的所有権保護などの分野も各国の独自裁量であり、独自に第三国との二国間協定が結べるとされている。

 以前示した私の推測は、結果的に正しかったわけだが、正直これは盲点だった。サービス取引に関して言えば、ユーラシア経済連合全体で単一サービス市場が成立しているという建前になっているのに、にもかかわらず第三国との協定締結権が各構成国にあるという点がややこしい。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ