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 本日10月25日は、例のチハノフスカヤがルカシェンコに突き付けた「国民による最後通牒」の期限なのだけど、果たして何かが起こるのだろうか?

 さて、ベラルーシ情勢で、研究する側にとって非常に困るのは、まともな世論調査や出口調査等が実施できないことである。なので、「おそらく8月の大統領選でルカシェンコはチハノフスカヤに負けていたのではないか」と推測しても、それを裏付けるしかるべきデータが存在しないということになる。

 そうした中、こちらのページに見るように、英国のチャタムハウス(王立国際問題研究所)がベラルーシでの世論調査を敢行したということであり、あっぱれである。「コンピュータ支援ウェブ調査(Computer Assisted Web Interview)」という方法を用いた由である。サンプルは899名とあまり多くないが、回答をベラルーシ都市部の性別・年齢・居住地の規模の構造に合わせて補正することによって数字を導き出しているということだ。コンピュータおよびネットのユーザーが回答者なので、社会的により活発な市民であることが想定され、反ルカシェンコ派がやや過大に、親ルカシェンコがやや過小に代表されている可能性があると説明されている。調査実施時期は2020年9月22~28日。

 ともあれ、きわめて貴重な調査結果なので、その概要を見ていくとすると、まず、先の大統領選で投票したという回答者は80.7%、しなかったという回答者は19.3%だった。

 いつ投票をしたかという設問では(当然、投票した人のみが回答したのだろう)、8月9日の本投票日が85.9%、期日前投票が14.1%という結果となった。中央選管の公式発表では、41.7%の有権者が事前に投票を済ませたとされていたので、そもそもそれが相当インチキだったことになる。

 最も興味深い、実際に誰に入れたかという質問に対しては、上図に見るとおり、S.チハノフスカヤ52.2%、A.ルカシェンコ20.6%、A.ドミトリエフ2.7%、S.チェレチェニ0.9%、A.カノパツカヤ0.3%、それ以外の候補9.2%、投票用紙を破棄した0.4%、回答拒否が13.7%となっている。最後の回答拒否が、チハノフスカヤに入れながらいまだに恐怖ゆえそれをカミングアウトできないということである可能性もあるが、いずれにしてもチハノフスカヤに有利な数字が出やすいこの調査で、同氏の数字が52.2%であるとすると、「第1回投票でチハノフスカヤが過半数をとって当選を決めていたはずだ」とまでは言い切れないだろう。ルカシェンコに対してリードを奪っていたことは事実だろうが。

 あと、色々な設問があるが、それらを眺めながらざっくり言うと、現時点でルカシェンコ体制をいまだに支持しているのが2割くらい、チハノフスカヤおよび反ルカシェンコ運動の側に立っているのが6割くらい、残りは無関心か中立、といった比率になっているようである。もちろん、上述のとおり、若干、反ルカシェンコ派に有利な調査方式という前提ではあるが。


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