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 むかし、「カワイイはつくれる!!」というCMがあったが、ベラルーシを見ていると、世論も作れるのかなと感じる。ベラルーシ科学アカデミー社会学研究所のこちらのページに、対ロシア関係をはじめとして、ベラルーシのあるべき対外戦略についての世論調査結果が出ていた。ただ、そもそもがルカシェンコ体制の御用調査機関であり、調査方式などについての具体的な情報が記されておらず、疑いの目を向けざるをえない。このコンテンツが発表されたのが、大統領選直後の8月14日であることから見ても、政治的意図があって発表したものではないかと、つい見てしまう。

 上に掲載したグラフは、どのようなロシアとの関係を望むかという問いに対する回答状況である。最新の2020年6月の状況で、「ベラルーシは独立国でありロシアとは国際条約にもとづいた関係を構築すべきだ」(青)が61.6%、「ベラルーシとロシアは超国家機関を創設し同権の連合関係を築くべきだ」(緑)が24.5%、「ベラルーシは連邦構成体(単数または複数)としてロシア連邦に加入すべきだ」(赤)が6.7%だったと発表されている。要するに、ロシアと国家統合を行うことを希望しているベラルーシ国民は趨勢的に減少しているという、ルカシェンコ体制にとって何とも都合の良い数字になっている。ベラルーシで対ロ統合の支持者が減っているのは事実だと思うが、ちょっとこのグラフの示すパターンは露骨すぎるのではないかという気がする。

 一応、他の設問の回答状況も見ておくと、ベラルーシの対外関係の方向性はどのようなものであるべきかという設問では、ロシア寄り23.9%、欧州寄り20.2%、中国寄り4.8%、特にどこにも依拠せず自主路線を進める28.6%、などとなった。


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