9月14日にルカシェンコが訪ロしてプーチンとの間で行った会談については当ブログで既報のとおりだが、ルカシェンコは9月16日に政権関係者らを前にして、会談の具体的な内容につき明かしたということである。ベラルーシ国営ベルタ通信がこちらの記事で伝えている。私の研究分野に近い事柄としては、ベラルーシの貨物を現状利用しているバルト三国の港からロシアのサンクトペテルブルグの港にシフトさせるという話が新味があった。以下、ルカシェンコが述べた要旨を箇条書きしておく。
- 約5時間にわたって、あらゆる問題を話し合った。プーチンと一緒に、今後の交渉の計画を作った。外務省、政府、大統領から成る枠組みは、選挙前に形成されていたものだ。
- 何よりエネルギー問題を協議した。具体的な数字などは出なかったが、駐ロシア大使で対ロシア交渉担当の副首相でもあるセマシコがロシアのエネルギー関係者と交渉している。
- 市場アクセスの問題も協議した。プーチンが、両国の持ち株会社、産業大企業の関係を活発化させ、その接触や取引を促そうと提案してきたので、私はOK、自分も賛成だと答えた。
- (15億ドルの融資については)これは私からの依頼だった。ベラルーシは今年、ロシアに対する旧債務の返済で10億ドルを支払う必要があり、首相と蔵相は支払うことを提案しており、我が国はどんなに困難でも支払うつもりだった。ただ、私はロシア指導部に、今年の支払は見送り、来年に繰り延べてほしいと依頼した。金利は許容範囲である。したがって、これは繰り延べである。
- 9月の末に両国の地域間フォーラムがあるので、知事たちの間の交流を活発化させる。セマシコがソチからの帰路に報告してきたところによれば、彼はロシアの産業相とロシアを行脚し、BelAZやMAZの供給など、2.9億ドルの契約をまとめてきた。
- ベラルーシの貨物をバルト三国の港からペテルブルグの港にシフトさせる問題も、真剣に協議した。私はプーチンに、ロシアがバルト三国と同等の条件を提示できるなら、我が国はバルトの港にこだわるものではないと伝えた。まだ私がソチにいる間に、プーチンは事務方に検討と提案を指示した。
- 交渉では、軍需産業および軍事分野の協力を特に重視した。当方からは演習を提案した。他国が何と言おうと、気にする必要はない。戦えない軍隊は軍隊ではなく、少なくとも演習は必要である。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします