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 既報のとおり、2018年に始まるロシアの第4期のプーチン政権では、その間に達成すべき主要指標が、「国民的目標」として設定されており、それを達成するために12本の「ナショナルプロジェクト」が制定されている。それらの期限は、プーチンの現政権が終了する2024年までであった。ところが、その期限が新型コロナウイルスの影響にかんがみ、2030年まで延長されるということが先日発表されていた。

 それで、こちらのページに見るように、7月21日にプーチン大統領が署名した大統領令により、2030年を期限として新たに再設定された「国民的目標」が発表された。この中から、私の研究分野である通商政策にかかわる指標をチェックしておく。

 通商政策の面においては、「2024年までに、非原料・非エネルギー商品の輸出を、2,500億ドルにまで拡大する」という目標が、もともと設定されていた。途中の年の目標額も、上のグラフのように示されていた。

 それが、今回の大統領令によれば、「(2030年までに)非原料・非エネルギー商品の輸出を、2020年比で、少なくとも70%、実質拡大させる」という目標へとアップデートされたのである。

 だが、分からないことだらけである。まず、基準となる2020年の数字は、当初の目標だった1,670億ドルなのか(一応、図ではその前提にしてある)、それともこれから明らかになる2020年の実績値なのか? もし仮に実績値だとしたら、2020年の実績値は、コロナ不況でだいぶ押し下げられるはずだが、あえてその低い基準を使うのか? 「実質拡大する」というのは、価格変動は差し引いて考えるという意味か? 2024年の2,500億ドルという目標額は破棄するのか、それとも依然として残るのか? 今のところ、2020年比で70%増という数字しか明らかになっていないが、途中の各年の数字や、さらには工業分野別の内訳や農産物・食品の目標額なども今後示されるのか? とにかく不明な点が多いので、続報を待ちたい。


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