7月1日に投票が行われたロシアの改憲国民投票につき、毎度芸がなくて恐縮だが、こちらのサイトに政治工学センターのA.マカルキン氏のコメントが掲載されているので、以下抄訳しておく。

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 ここ数週間、ちまたでは、改憲に反対する人々につき、恐ろしいレッテルが貼られていた。それは、退役軍人を尊敬しないとか、ロシアの土地を他国に売り渡すとか、コロナと戦う医療従事者のことを何とも思っていないとか、同性愛に賛同して人類を滅ぼすとか、動物を保護しようともしないとか、売国奴・第五列とか、とにかくそんな酷いイメージが語られていた。

 ところが、投票の結果、蓋を開けてみると、改憲に反対する「おぞましい」人々は、公式発表ですら1,500万人もいることが明らかになった。モスクワに至っては投票参加者の3分の1が反対である(その公式発表にしても反体制派は異議を唱えている)。

 実際のところは、改憲に反対した人々は、一枚岩ではない。欧州派のリベラルもいれば、もうすぐ年金をもらえると思っていたのにそれが先送りされたことに怒っている中高年もいる。

 改憲反対派たちは、2020年の統一地方選挙で、行動に出るだろうか? 有権者が統一地方選を、どれだけ自分にとって大事と思っているかが不明なので、何とも言いがたい。それでも、一部の地域では、有権者の反政府的なうねりが生じる可能性はある。

 一方、2021年の連邦下院選に向けては、今回の投票で反対した人々の支持を得ようと、各党がしのぎを削るだろう。早くも共産党は今回、改憲案に反対であるとの立場を示していた。モスクワなどの大都市では、民主野党の動きが活発化するだろう。さらに言えば、改憲に賛成票を投じた人々も、一枚岩ではない。国民投票では「善きもの」に賛成した彼らも、具体的な政党や候補者が問われる議会選では、体制に批判的な票を投じるかもしれない。


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