最近、ちょっと気になっている話として、ロシアの大学生などの間で、学ぶ外国語の選択として、日本語の人気が落ちているという言説がある。まあ、絶対王者の英語や、飛ぶ鳥を落とす勢いの中国語に負けるのは仕方ないとして、気になるのは、「最近は韓国語にも圧倒されている」というのである。何でも、昨今のロシアの若者の間で、韓国ドラマやK-POPを好きな人が増えており、それが韓国語の学習熱に繋がっているというのである。
おそらく、日本のお役所の政策担当者は、「クールジャパンで世界を魅了するぜ、イェイ」なんて相変わらず能天気に思っているのかもしれないが(?)、ロシアの若者たちが韓国ドラマやK-POPに惹かれ(日本語でなく)韓国語を選んでいるとしたら、これは由々しい事態だと思った次第である。
それで、何か参考になるデータがないかなと思って検索してみたら、とりあえずこちらの情報がヒットした。全ロシア世論調査センターが、2019年9月に行ったロシア国民の外国語学習に関する意識調査である。その中で、「貴方の考えでは、今日どんな外国語を学ぶことが有益と思うか?」という質問を選択肢を示したうえで5つまでの複数回答で尋ねたところ、以下のような結果となった。
- 英語:93%
- 中国語:48%
- ドイツ語:32%
- フランス語:21%
- スペイン語:9%
- 日本語:6%
- イタリア語:4%
- アラブ語:3%
- ロシア語:2%
- 韓国語:1%
- トルコ語:1%
とりあえず、現時点で韓国語よりも日本語のステータスの方が上のようで、良かった。しかし、これは「日本=経済大国」という古いステレオタイプを残した旧世代も含めた調査結果である。アンテナの鋭い若い世代では、日本よりも韓国文化への関心の方が高く、学習言語の選択にも影響しているのかもしれないが、残念ながらそれを直接裏付けるようなデータは見付からなかった。
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