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 また、誰も興味のないようなベラルーシ自動車産業の話で恐縮である。最近でこそ、ベラルーシの乗用車生産の主軸は、中国との合弁のベルジー社となっている。しかし、それ以前から存在したユニゾン社の存在も忘れてはならない。元々は米フォードがベラルーシ政府と合弁で工場を開設したものだったが、フォードのプロジェクトが頓挫し、2000年に英国企業が買い受けて新たにユニゾン社が誕生した。一時はイラン・ホロド社のモデルを生産したりもしていたが、ここ数年は中国の浙江衆泰控股集団のZotyeというブランドの乗用車(上掲写真参照)を生産し、基本的にロシア市場に供給してきた。

 こちらの記事が伝えているように、ユニゾンはZotye車をロシア市場に、2017年には1,088台、2018年には3,175台、2019年には1,373台供給したが、2020年4月になって今後Zotye車はベラルーシからでなく中国から供給されることとなり、ユニゾンでの生産は終了となった。これは、ユニゾンは当初はアセンブル用の部品輸入に優遇関税を適用されていたが、2018年にその措置が打ち切られ、その後も残っていた優遇措置の割当を使い切ったことにより、ロシア市場での競争力が低下したからである。

 ベルジーの場合も、ロシア市場への輸出を当て込んで、年産6万台の計画を立てていたのだが、現実にはロシアでの販売が伸びず、2019年の生産は2万台強に留まった。ロシア市場向けの生産拠点をベラルーシに設けるというビジネスプランは、一見上手く行きそうで、実際には失敗することが多い。


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