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 「ちょっと用事があってこんな図表を作ってみた」シリーズで、今回は、ロシアの乗用車輸出相手国・地域を跡付けたグラフである。

 この数年間で、なかなかドラマチックに変化している。ポイントを整理すれば、こんなところか。

  • ロシアの乗用車輸出(ロシアブランド、外国ブランド、両方ある)は、ユーラシア経済連合のパートナーであるベラルーシとカザフスタン向けが圧倒的な割合を占める。しかし、ベラルーシ向けは順調に拡大しているものの、カザフスタン向けはユーラシア経済連合が成立した2015年以降、かえって縮小している。これは、カザフスタンが2015年11月30日にWTOに加盟した結果、カザフの乗用車輸入関税がユーラシア共通関税率の25%から、WTO加盟条件の15%に引き下げられ、カザフ市場でロシア生産車がその他の国からの輸入品とのより厳しい競争を迫られるようになったからだろう。
  • ユーラシア経済連合には、その他にもキルギス、アルメニアという加盟国があるが、小国で購買力も低いので、ロシアからの乗用車輸出は微々たる量。
  • かつては「その他CIS」も重要な輸出先だったが、その最大の市場はウクライナであり、政治関係の対立から2014年以降激減した。
  • 2015~2016年頃から、EUをはじめとするCIS域外への輸出もそれなりの規模になっている。これは、ロシアの経済危機、油価下落などを受けロシア・ルーブルが下落し、ロシア生産車がCIS域外でも一定の価格競争力を持つようになったからである。

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