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 このほど、こんな本を読了した。藤巻健史『日本・破綻寸前 自分のお金はこうして守れ!』(2020年、幻冬舎)である。単行本は2,059円だが、Kindleだと1,158円なので、Kindleで読んだ。というか、私の場合、値段が同じでも、電子書籍を選ぶが。

 Amazonから本の内容をコピーさせていただくと、以下のとおり。

 日本経済は年々悪くなっているのに、日銀はお金のばらまきをやめず、社会保障費なども増加する一方で、日本財政がよくなる兆しはまったくない。「日本の財政が破綻する日(=Xデー)はいつ起きてもおかしくない」と著者。Xデーが起きたとき、政府は守ってくれないし、自分のお金は自分で守るしかない。本書では著者の資産運用法を公開し、読者にも、ハイパーインフレが起きても大丈夫な手法を具体的に伝授。

 私は財政タカ派であり、このブログでも過去に何度か、日本の財政危機に関する書籍を取り上げている。なので、藤巻さんの論旨についても同意するし、本書を読んで改めて危機感を新たにした。

 あまたある日本の財政危機に関する書籍の中で、本書の特徴は、著者が金融マンとして国際金融市場の第一線で活躍した経験があるだけに、その実務家としての経験を踏まえたエピソードなどが非常に興味深い点、またXデーに備えて具体的にどのような資産選択をしたらいいかという指南が語られていることだろう。ただ、個人的にはその指南の方向性はやや上級者というか富裕層向けという感じがして、必ずしも自分のような庶民には当てはまらないかもしれないとは感じた。

 コロナ危機で、日本政府も財政出動を迫られ、その財源問題などが議論の的となっている。本書には、一応その言及もあるものの、問題が本格化する前に上梓されたので、残念ながらコロナ財政出動に関する記述は充分とは言えない。それでも、コロナパニックに直面し、日銀はお金を刷って刷って刷りまくれ、それを国民に配れば万事解決といった無責任な議論も横行する中で、ぜひ読んでおきたい一冊だと思う。


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