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 先日伝えられたこちらの記事によると、スポーツ動画配信サービスのDAZNは近く世界の200程度の国(!)で新たにサービスインする予定であり、ロシアでも今年5月末までに利用できるようになるという。ただし、新たな進出国では当面、英語によるボクシング放送だけが視聴可能となる。今回決まったロシア進出はあくまでも最低限のローンチであり、本格的なロシア進出と言えるようになるには、現地のニーズを踏まえたより広範なコンテンツが必要で、またロシア語の実況を付けることも不可欠である。

 なお、記事によると、ロシアでスポーツ番組のネット配信を手掛けている既存の業者には、ヤンデックス(2019年9月にコンチネンタルホッケーリーグの3年間の放映権を獲得)、Okko(2019年4月にイングランドプレミアリーグの3年間の放映権を獲得)、Ivi(2019年10月にロシアプレミアリーグ、CL、ELの放映権をガスプロムメディアから買収)、Megogo(イタリア、スペインのサッカーリーグを中継)がある。

 ところで、個人的にはこの記事を読んで初めて知ったのだが、DAZNを保有しているのは、旧ソ連に非常に馴染みのあるレオナルド・ブラヴァトニク氏のアクセス・インダストリーズ社であるということである。同氏および同社については、以前当ブログでも、「ロシア系ファンドがワーナー・ミュージックを保有?」というエントリーで言及したことがあった。してみると、今回のDAZNによるロシア進出は、ブラヴァトニク氏の旧ソ連里帰り投資のようなものとも言えようか。

 個人的な関心事は、ロシアでDAZNがサービスインしたあかつきに、たとえばロシアに出張に出かけて、彼の地で私が日本のJリーグを見られるのか、という点に尽きる。あるいは、日本に居ながらにして、ロシアのサッカー・プレミアリーグやコンチネンタルホッケーリーグが観られるようになれば、それも歓迎だ。しかし、おそらくそうはならないだろう。想像するに、ロシアのDAZNを観るためには、日本とは別に、ロシアでもユーザー登録し料金を払わなければいけないのではないか。そして、ロシア国内でどんな番組を観られるかは、ロシアDAZNのマーケティング次第であろう。ロシアDAZNのコンテンツとして、将来的に日本のJリーグが加わる可能性もなくはないだろうが、仮にそうなっても、全試合になるか、ライブでやってくれるかなど疑問は尽きない。

 まあ、VPNだな、結論として。


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