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 ロシア内陸部の街ペルミについてコラムを書こうとしていて、情報を収集してみたところ、驚いたことがある。なんと、同市を拠点とするサッカークラブ「アムカル・ペルミ」が、私の知らないうちに消滅していたのである。ロシアのサッカー事情に関心を持つ人間として、気付くのが遅すぎたが、当該の決定が下されたのは、ロシア・ワールドカップの最中だったとのことなので、あの大フィーバーの中で、アムカル消滅というローカルニュースが埋没してしまった形であろう。

 ことの次第は、こういったことだったらしい。アムカル・ペルミはプレミアリーグ参戦を続ける中堅クラブだったが、2010年代の半ばに経営が悪化し、債務が膨らんだ。2015/2016シーズン開幕を前にして、選手が大量流出したりもした。2017/2018シーズンでプレミア13位となったアムカルは、2部のタンボフとの入れ替え戦に回ったが、それに勝利し、成績上は残留を勝ち取った。しかし、2018年6月13日にロシアサッカー協会の会合が開催され、アムカルが膨大な期限超過債務を抱え、今後の支出に関する保証も行わないことを理由に、2018/2019シーズンにプレミアに参戦する権利を剥奪した。クラブのG.シロフ社長は2部での戦いを拒否し、6月18日にクラブ解散の方針を宣言した。7月10日には経営陣と設立発起人の合同会合で、解散が正式に決定された。11月6日にはシロフ旧社長の訴えをペルミ地方の商事裁判所が受け入れ、クラブの破産が認定された。こうして、アムカルはプロクラブチームとしては消滅し、現在はアムカルという名前のジュニアチームだけが存在している状態となっている。なお、2011年からアムカルの社長を務め、今回のクラブ解散を一方的に決めてしまったG.シロフという人物は、地元化学工業界の名士であり、ウラルヒム傘下の「無機肥料」社の社長、シブール社の現地代表、連邦上院議員などを歴任した。

 以上のような顛末だったということらしい。これは、我が国の横浜フリューゲルスの消滅と同じで、サポーター(アムカルの場合、どれくらい存在するのかというところが微妙ではあるが)の思いなどは一切無視し、幹部が財務問題を理由に2部参戦すらも拒否して、完全にチームをなくしてしまうという極端な決定を一握りの内輪だけで決めてしまったというパターンである。


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