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 コロナウイルスの問題、個人的に知見のないことにはなるべく口出ししないようにしているので、当ブログでも特に触れていないが、とにかく、早く収束に向かってほしいものである。

 さて、問題の震源地となってしまった中国の湖北省および武漢市。私はロシアの地理オタク、地域マニアなので、その延長上で、湖北省および武漢市がどんなところなのかというのは、非常に気になる。それで、自宅の本棚を何の気なしに眺めていたら、高橋基人『こんなにちがう中国各省気質』(草思社、2013年)という本が目に留まった。たぶん以前も当ブログで取り上げたことがあったと思うのだが、中国の31地域の特質や注目点を詳しく解説した本であり、私好みの素晴らしい内容なのである。

 そこで、本書で湖北省について解説されている中から、興味深いと思った点を抜粋して箇条書きにしてみる。

  • 湖北省は全国でも群を抜く教育レベルの高さを誇る。大学や教育機関の数は中国のトップレベル。住民は読書好きで、多くの学者も輩出している。
  • ただし、その反面、狡猾、悪賢いなどと指摘されることもある。
  • 気質は謙虚で、内省的で、勇敢。「能ある鷹は爪を隠す」を地で行く。
  • 武漢は、1911年に革命勢力の武装蜂起が初めて成功した都市で、辛亥革命の火の手はここから全国に広がった。
  • 武漢はそれなりの歴史があるが、都市として急発展したのは最近のこと。一昔前まで、在留邦人は、当地で売っている米に砂利が混じっているので、泣きながら砂利を取り除いていたが、それも今は昔。
  • 内陸部開発が国策となる中で、武漢への外資企業の進出が加速、日系企業は2000年代初頭は20社程度だったが、2010年には100社近くに。自動車メーカーに加え、物流会社も拠点。フォックスコンも武漢にアップル製品のEMS工場を設立。
  • 有名人としては、林彪が省南部の黄岡の生まれ。文革の混乱期、毛沢東暗殺を計画したが、失敗するやソ連への亡命を図り、飛行機が燃料切れでモンゴルに墜落、死亡した。

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