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 1月21日にロシアでミシュースチン新内閣の顔触れが上図のように決まった(出所はこちら)。「多くは留任」という論評もあり、確かにそういう見方もできるが、経済閣僚の布陣には結構本質的な変化が生じている気がする。最大のポイントは第一副首相だろう。前内閣では、緊縮財政派のA.シルアノフが、第一副首相と蔵相を兼務し、政府の金庫番としてどっしりと構え、安易な財政拡大は許さなかった。典型的なのは、高速鉄道プロジェクトに待ったをかけたことであり、それについては先日「ロシア版の新幹線計画がまさかの大迷走」というコラムで論じたとおりである。

 それに対し、新内閣では、シルアノフは蔵相ポストこそ保持したものの、第一副首相の座は失った。そして、新たに第一副首相に就任したのが、これまで経済問題担当の大統領補佐官を務めてきたベロウソフであった。プーチン大統領の「5月大統領令」や、一連のナショナルプロジェクトは、まさにベロウソフの発案によるものと言われており、もしもベロウソフが入閣したらそれは「ナショナル・プロジェクト・シフト」に他ならないと事前に言われていたが、それが的中した形である。したがって、今後ロシアがナショナルプロジェクトへの拠出を中心に積極財政に転じていくということは、充分に考えられそうである。

 他方、ベロウソフと言えば、想起されるのは物議を醸した「ベロウソフのリスト」であろう。これは、2018年8月にベロウソフ大統領補佐官が、金属および化学の大手企業は輸出で超過利潤を挙げながら低い税負担しか負っていないので、追加的な課税をすべきであり、またそうした企業はナショナルプロジェクトおよびインフラ総合計画にも率先して貢献すべきだと主張して、大いに物議をかもしたものだった。「ベロウソフのリスト」に挙げられていたのは、具体的には、エヴラズ、ノヴォリペツク冶金コンビナート、ノリリスクニッケル、シブール、セヴェルスターリ、マグニトゴルスク冶金コンビナート、メタロインヴェスト、SUEK、メチェル、アルロサ、フォスアグロ、ウラルカリ、ポリュス・ゾロト、アクロンの各社であった。これらの企業は戦々恐々としているところかもしれない。


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