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 こちらの記事が、中国主導の一帯一路がカザフスタン経済にもたらす効果について論じているので、気になった部分だけメモしておく。

 カザフスタンのナザルバエフ初代大統領は、「中国の一帯一路政策のお陰で、我が国は海への出口を擁する国家となったわけで、我々は一帯一路を支持している」と発言している。カザフスタンと中国は、2008年に西欧~中国西部の輸送回廊の発展に関するメモランダムに調印し、2015年には両国首脳間で一帯一路の枠内での協力に関する条約に調印している。カザフ側は2014年末に策定した2015~2019年のインフラ発展プログラム「ヌルルィ・ジョル」で、一帯一路の枠内で実施されるプロジェクトとのすり合わせを図っていた。

 輸送回廊の中核となるのは、カザフスタンおよびロシア領を通る鉄道および幹線道路である。そのカザフスタン・中国区画は、2016年に完成し、カザフのホルゴスから、中国のウルムチに伸び、最終的には黄海に面した連雲港にまで至る。自動車道路の延長は3,425kmで、「2019年ユーラシア経済連合輸送回廊報告書」によれば、遅くとも2020年には完全に稼働することになっている。

 カザフスタンでの建設は完成に近付いている。対ロシア国境のマルトゥク村から、アクトベ、キジルオルダを通るシムケントまでの区画は、完全に完成した。タラス~アルマトイ間もほぼ完成し、アルマトイから対中国境までは作業が完了しつつある。さらに、カザフはこの間、2,500kmの鉄道を新規建設し、幹線となるアルマトイ~シュ間は複線となった。

 2018年にはベトナム~中国~カザフスタン~欧州という大陸間鉄道ルートが開設され、ハノイからカザフを経由してドイツのデュイスブルクに1,686のコンテナが輸送された。その逆の物流も機能しており、カザフの生産者は中国やベトナムの港湾へのアクセスを得ることになった。ナザルバエフが、我が国は海への出口を確保したと述べたのは、このことである。

 カザフスタンの対中国境に位置する「ホルゴス・東の門」も、中国の資金援助を受けて建設されたものである。ただ、ホルゴスの優遇的な関税規則の結果、2013~2017年にホルゴスを通ってきた輸入貨物のうち、関税の対象となっているのは45%だけであり、特に中国との貿易では60~90%が密輸という問題が生じている。

 カザフスタンの野党は、カザフの土地を中国に売り渡すことへの抗議行動を行っているが、それはコップの中の嵐のようなものである。真の焦点は、中国に対する債務である。ただ、中央アジアの他の国と比べると、カザフの状況は恵まれており、中国からの流入資金の60%は融資ではなく直接投資である。また、カザフの対外債務に占める対中の比率は、2013年には10.6%だったが、2018年10月1日では7.4%と、かえって低下している。


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