
このほど、ERINA北東アジア研究叢書の10作目として、穆尭芊・徐一睿・岡本信広(編著)『「一帯一路」経済政策論 プラットフォームとしての実像を読み解く』(日本評論社、2019年)が刊行された。目次を整理しておくと以下のとおり。
序 章 プラットフォームとしての「一帯一路」(徐一睿・穆尭芊)
第1章 地域開発政策-地域一体化への新展開とは?(穆尭芊)
第2章 地方財政-財政格差の再拡大をどう防ぐか?(町田俊彦)
第3章 インフラ整備-地域間の格差是正に寄与しているか?(徐一睿)
第4章 農村・農民-農村を発展させられるか?(岡本信広)
第5章 人流・物流-鉄道輸送の経済効果をどの程度変えるか?(南川高範)
第6章 東北内陸-近くて遠い「借港出海」の進展は?(新井洋史)
第7章 海上シルクロード-「海運強国」は実現可能か?(朱永浩)
終章 政策評価-「一帯一路」はプラットフォームになりえるのか?(岡本信広)
あとがき(穆尭芊)
中国の一帯一路政策を扱った文献はあまた存在するが、本書はやや異色な部類に属すと思われる。というのも、同政策が国際関係論的な角度というよりも、中国の国内経済的な観点に主軸を置いて論じられているからである。もちろん、「異色」ではあっても、このアプローチが正鵠を射ていないというわけではなく、むしろこれまで同政策の研究で欠落していた部分を埋める貴重な作業ということになろう。
個人的に特に注目した部分については、明日触れることとしたい。
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