Armenian_Railway

 恥ずかしながら、アルメニアの鉄道に関して、これまで個人的に認識していない点があった。安直ながら、ウィキペディアのこちらこちらのページによると、2008年からアルメニア鉄道はコンセッション契約により、ロシア鉄道に経営が委ねられているということである。2008年2月13日にエレヴァンにおいてロシア鉄道とアルメニア側とのコンセッション契約が期間30年で締結され(延長の可能性もあり)、ロシア鉄道が設立した100%現地法人の「南カフカス鉄道」がその経営に当たっているということだ。

 ただし、契約から十余年を経過し、このコンセッション契約は必ずしも上手く行っていないようである。南カフカス鉄道側が投資や納税の義務を怠っているとしてアルメニア側が不満を示せば、ロシア側も2019年9月になって運輸省が本来の契約期限前の撤退の可能性をほのめかすなど、隙間風が吹いている。

 他方、アルメニアは敵対的な国と隣接する内陸国であり、鉄道の国際路線が発達していないという問題がある。ソ連崩壊後、対立するトルコ、アゼルバイジャンとの鉄道路線は廃止された。現時点では、アルメニアの国際鉄道路線は、ジョージアのトビリシに伸びるものだけである。他方、以前は、トビリシからさらにアブハジア経由でロシアまで行けたものの、現在はジョージアとアブハジアの敵対関係により寸断されている。ロシア鉄道としては、子会社を作ってアルメニアにテコ入れしても、ロシア~アルメニア間は鉄道では繋がれていないということになっているわけである。

 そうした中、こちらの記事によれば、先日ロシア鉄道のベロジョーロフ社長とアルメニアのパシニャン首相が会談し、両者の協力拡大で合意、特に黒海をフェリーで運航することを検討することになったという。詳しいことは書かれていないが、要するに、エレヴァンからトビリシに向かった列車が、黒海沿岸の港(おそらくポチあたり)に進み、そこからフェリーで黒海を通り、ロシアのクラスノダル地方のいずれかの港に着いて、アルメニアからロシアまでの一貫輸送を実現しようということだと思う。

 さらに、こちらによれば、両者は南カフカス鉄道の業務を「正常化」する問題についても討議したという。「正常化」ということは、近年それだけただならぬ状況に陥っていたということなのだろう。


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