当ブログでは先日、ウズベキスタンがユーラシア経済連合加盟を検討しているとの情報をお伝えした。こちらの記事が、続報と、専門家のコメントを伝えているので、簡単にまとめておく。
マトヴィエンコ・ロシア上院議長が本件について発言した2日後、ウズベキスタン側のサファエフ上院議長が記者会見でこの問題について発言した。サファエフ議長によれば、マトヴィエンコ発言には特に驚くべきことはなく、というのもウズベキスタンがユーラシア経済連合に加盟するという計画はウズベキスタンにおいて過去3年間検討されていたものだからである。ただし、決定を下すためには、まず詳細な分析が必要である。これに関して、外部からの圧力などはなく、ウズベキスタンという国もミルジョエフ大統領も圧力に屈したりはしない。ウズベキスタンはプラスとマイナスをすべて考慮してプラグマティックに決める。たとえばEUなどはユーラシアよりずっと進んでいるが、EUでは一部の国家主権を移譲しなければならないのに対し、ユーラシアではそれがないので、我々が決定を下す際にはそうした側面を重視すると、サファエフ議長は述べた。他方、ロシアのムハメトシン上院国際問題委員会委員長は10月7日、ウズベキスタンは2020年にユーラシアのオブザーバーになる可能性があると発言している。
上掲の記事に掲載されている専門家のコメントは以下のとおり。まず、「ユーラシア・エクスパート」のS.レケダ氏によれば、ウズベキスタンがユーラシア統合に参加するにしても、それは段階的なものとなろう。仮に加盟という決定があるにしても、現時点で一気に正加盟ということにはならない。ウズベク側はまずはオブザーバーという資格を選ぶかもしれない。様々な協力形態がありえるし、理論的にはFTAもありうる。ウズベクにとってユーラシア入りは貿易障壁の撤廃、労働移民の条件改善に加え、長期的には何らかの地経学的なブロックに加わることによって近代化が触発されるという効果を持つ。
一方、サンクトペテルブルグ国立大のYe.トレシチェンコフは、ウズベキスタンのユーラシア経済連合入りといった話は時期尚早であって、事務局のユーラシア経済委員会抜きで議論することは無意味であり、同経済委のレベルで専門家グループを設置しなければ具体的な議論は始まらないとコメントした。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします