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 こちらの記事に見るように、今般開催された第5回東方経済フォーラムの席で、サハ共和国のA.ニコラエフ首長が、「レナ川橋」の建設を猛プッシュする一幕があった。サハ共和国の見解によれば、橋の建設によりロシア極東と北極圏を結び付けることが可能になる。サハ共和国が交通網で隔絶されているという問題を、極東発展ナショナルプログラムは解決すべきだ。橋ができれば、インフラの制約が軽減され、全ロシア領土の経済的結合レベルが向上する。大規模な鉱山が稼働し、非資源部門のプロジェクトへの投資も流入する。橋は、アムール~ヤクーツク鉄道、ヴィリュイ、コルィマ、レナという3つの連邦道路、5つの地域道路、ヤクーツク河川港、ヤクーツク国際空港を連結することになる。2025年までに橋が開通すれば、サハ共和国市民のうち通年で交通インフラにアクセルできる市民の比率が20.9%から83%に高まる。北方供給の費用が減るので、財政の節約にもなる。というのが、サハ共和国側の主張である。

 それで、レナ川橋については、かねてからサハ共和国当局が要求していたプロジェクトのようで、こちらに専用サイトもある。端的に言うと、次のような話らしい。これまでサハ共和国の首都ヤクーツクは、鉄道が繋がっておらず、陸の孤島のような位置付けだった。それを、アムール~ヤクーツク鉄道と称し、南部のアムール州からヤクーツクに至る幹線鉄道を現在建設中で、それが上に掲げた地図の赤いルートになる。ところが、同鉄道はヤクーツク市そのものには到達せず、レナ川を挟んで川の対岸にあるニジニベスチャフというところが終点ということになっている(2番目の地図で青いフラグが立っているところ)。これではヤクーツク市が受ける恩恵が低下してしまうので、レナ川を渡る橋を架け、鉄道がヤクーツク市中心部まで到達できるようにしてほしいというのが、サハ共和国の連邦に対する要求事項ということのようである。


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