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 目下、ロシア・NIS諸国のサービス貿易について調査しているところなのだけど、統計データを整理していて、カザフスタンが意外に旅行サービスの輸出(つまり外国人観光客のインバウンド収入)が多いことに気付いた。中央アジア諸国の中で、ウズベキスタンがシルクロード・ロマンをかきたてる古代遺跡の宝庫であるのに対し、カザフスタンはお世辞にも一般受けする観光資源が豊富とは言いがたいイメージがある。それなのに、観光サービス輸出額を見ると、カザフの方がウズベクより上になっているのである。

 こちらのサイトの情報によると、当時大統領だったナザルバエフの2018年10月の演説では、国民の福祉を向上させるために、インバウンドおよび国内旅行を発達させるよう、政府に指示したということである。このサイトでは、それを受けて、カザフ観光庁のR.クゼンバエフ長官が、同国観光業の概況につき語っている。長官によれば、2018年にはカザフのインバウンド観光客数が10%、国内旅行客数が5%成長した。インバウンド観光客は849万人に上った。カザフスタンを訪れている外国人観光客が特に増えているのは、UAE、インド、マレーシア、香港、ポーランド、韓国、米国などである。

 以上が政府系サイトの伝えるあらましであるが、「UAE、インド、マレーシア、香港、ポーランド、韓国、米国」という国の顔触れが随分バラバラだなと思ったら、これは2018年の増加率の順に列挙しただけであり、絶対数の順ではないようだ。現実には、カザフスタンを訪れる外国人はロシアおよび近隣の中央アジア諸国からが多いようで、観光というよりは何らかの用事があって訪問するパターンが多いのではないか。


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