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 個人的に、目下、サービス貿易のことを研究中であり、その作業の一環として、こんなグラフを作ってみた。ロシアのサービス貿易の中で、最大の項目は輸送サービスの輸出であり、なおかつ輸送サービスはロシアにとって黒字部門である。そこで、輸送サービス輸出の内訳入りの推移を跡付けたグラフを作ったというわけである。

 正直言えば、空運が最大の項目だというのは、意外だった。普通に考えれば、ロシアの航空会社が外国人を運ぶことによって発生する収入が思い浮かぶ。ただ、ロシアの場合は、同国の広大な領土の上を通過してアジア~欧州間を飛んでいる外国のエアラインから、莫大な上空通過料を徴収しているはずなので、ひょっとしたらその部分が大きいのかもしれない。

 その次に大きいのが、海運。これには、船の輸送だけでなく、港の利用や積み替えサービスなども含まれるはずである。ロシアの周辺には、中央アジアなど海への出口を持たない内陸国があるので、そういう国の貨物を積み出すようなこともやっているはずである。

 ロシアの特徴は、パイプライン輸送の比率がかなり大きいことだろう。これもまた、カザフスタンの石油等を外国市場向けに運ぶというものだろう。

 少し驚いたのは、鉄道の比率がそれほど大きくなく、なおかつ急激に縮小していることである。ロシア当局がシベリア鉄道の利用拡大を焦って訴えているのには、こうした事情がありそうだ。

 郵便・宅配は、まだ小規模だが、近年伸びている。これは間違いなく、国際ネット通販が反映したものだろう。つまり、ロシアの消費者がアリババに注文を出して、ロシア郵便がそれをせっせと運んでいるというわけである。

 輸送サービスの輸出の中で、「宇宙」というのがあるのは、ロシアならではであろう。これは、ロシアのロケットで外国の衛星を打ち上げたり、あるいはロシアのソユーズ宇宙船が外国人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーションまで運ぶことによって生じる収入などだろうか?


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