2019_02_25_igor_dodon_6324

 こちらで、ロシアの政治評論家のA.イヴァフニク氏が、2月24日投票のモルドバ議会選挙結果について論評しているので、以下のとおり要旨をまとめておく。

 モルドバ議会選の結果、独自に決定を下したり、単独で組閣をできる政治勢力は、一つも生まれなかった。I.ドドン大統領の親ロシア派の社会党は、比例区で31.4%を得票し、他の党を引き離した。親欧州派のACUM(「今」という意味)も善戦し、26.2%を得票した。ACUMは、尊厳・真実党(反汚職抗議運動のリーダーA.ナスタセが党首)と、行動・団結党(大統領選でドドンと争ったM.サンドゥが党首)の連合体である。ACUMは、党首たちの知名度と、オリガルヒのV.プラホトニュークが構築した現支配体制に対する徹底批判を武器に、支持を集めた。一方、プラホトニューク率いる与党民主党は、24.0%の得票に留まった。

 ただし、プラホトニュークは、与党の支持率が低いことを自覚して、事前に社会党と共謀して選挙制度を変更し、保険をかけていた。今回の選挙では、50人が比例区で、51名が小選挙区で選出されることになったのである。その結果、新しい議会で民主党は33議席を得ることとなり、これは社会党より1議席少ないだけである。ACUMは26議席である。それ以外では、左派ポピュリスト政党のショル党が8.4%を得票して8議席を獲得し、議会に進出することになった。党首のI.ショルは、2017年に起きた10億ドルの国外持ち出し事件により7年の実刑を受けながら、プラホトニュークにとって必要な人物ということで服役しておらず、政治に積極的に参加している。

 今後議会においてどのように連立与党が形成されるかは、まったく見当がつかない。プラホトニュークは、あらゆる勢力と交渉の用意があるとしている。ショル党が民主党と組むことは明白だが、それでも、定数101のうち41議席にしかならない。ACUMは、投票前に、民主党、社会党、その他のオリガルヒ・反欧州勢力とは絶対に組まないと明言していた経緯があり、これが言葉だけということはあるまい。ナスタセとサンドゥは、政治システムからプラホトニュークの汚職体質を一層する役割を自任しており、また見せかけではなく真に欧州統合、米国およびNATOとの緊密な関係を目指すとしていて、社会党の親ロシア路線は厳しく批判している。大統領派の社会党は、まさにこの親ロシア的姿勢ゆえ、連立交渉の余地が限られる。社会党がロシア志向であるのに対し、民主党はあからさまな反ロシア政策でモスクワではすこぶる評判が悪い。民主党または社会党が、他党の条件付きの支援を受けながら少数派内閣を形成するというシナリオは、現在のところまだ検討されていない。


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