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 米トランプ政権が新たな対ロシア制裁を打ち出したことが話題になっているが、当ブログでは差し当たり、こちらの記事を紹介する形で、制裁が長期化した場合のアルミ大手ルサールへの影響について見ておくことにしたい。

 記事によると、このほど格付け機関のFitchが、世界アルミ市場の展望を示した。米国のルサールに対する制裁が維持された場合、2019年にはアルミの価格が1t当たり3,000ドルにまで上昇し、市場における長期的なアルミ不足が発生すると予想される。逆に、米国が制裁を撤廃した場合には、2019年にかけて市場は正常化し、ロンドン市場における2018~2019年の相場は2,100~2,300ドルの範囲内に留まるであろうと、Fitchは見通しを示した。

 一方、ルサールに近い筋は、もしも米制裁が保持された場合には、ルサールは9月には工場の一部を休止させざるをえなくなるだろうと指摘した。今現在の市場は、専門家たちが予測していたよりも、きわめて厳しいものとなっている。もしも制裁が近日中に撤廃されないと、供給契約が切れ、元々輸出向けだった生産分は、10月1日以降は買い手がなくなり在庫を積み上げることにならざるをえない。それでなくても、倉庫には4月に販売できなかった在庫が残っている中でだ。元々(カレリア共和国北部の)ナドヴォイツィ工場はもっぱら米国向けの生産を行っていたので売り先を失っているが、同工場だけでなく輸出向けの生産を行っている他の工場も停止せざるをえなくなる。制裁導入前のルサールの輸出比率が80%に上っていたことを考えれば、全世界にある関連会社だけでなく、グローバルなアルミ市場全体にとって破局的なことになりかねない。関係筋はこのように指摘した。


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