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 こちらの記事が、2017年にロシアでは機械類の輸入が増え、輸入代替が難航している旨を論じている。要旨は以下のとおり。

 2017年にロシアの機械輸入は29%増大した。陸上輸送機器が36%増、船舶が43%増、電気機械が24%増、設備が28%増、航空機が20%増だった。

 産業・商業省では機械輸入の増加につき、市場拡大、ルーブル高、インフレ鎮静化、2016年の景気低迷からの回復によるものと説明している。特に電気機械は家庭用も産業用も、2015~2016年に落ち込んだ後、2017年になって洗濯機、電子レンジ、美容器具、スマホ、テレビ、PCなどの輸入が増大した。

 船舶の輸入増は、モーターボート、ヨットの拡大と、中古船舶全般の増加によるものだが、産業・商業省では、国家補助金も功を奏し、国産品の新船のシェアは拡大していると指摘している。

 なぜ機械の輸入がこれだけ急増したか、産業・商業省も全体としては説明に苦慮しているが、輸入がわずかしか増えていないセグメントの事例を挙げて反論している。たとえば、石油ガス機器の輸入総額は41.5億ドルで、「わずか」3.75%しか伸びなかったという。国内生産はそれよりも急ピッチで増大し、その結果輸入品のシェアは2016年の52.7%から2017年には52.0%に低下した。同様に、電力設備・ケーブル類の輸入は15.1億ドルで、1.2%伸びたにすぎなかった。

 他方、農業機械などは、輸入は確かに13%伸びたが、輸出がそれを上回る16%の伸びを示したという。関係者によれば、農業機械や道路建設機械などは、ロシア国内生産だけではラインナップを満たすことができないという。というのも、外国メーカーのロシア現地生産は品目が限られており、ロシアの地場メーカーは品質面で市場の要求に応えられないからである。日立建機の幹部によれば、経済の安定化と先送りされていた需要の顕在化により、2017年にはロシアの建機市場は60%拡大し、同社に関して言えばトヴェリの現地工場での生産増で賄い輸入は減らしたという。

 自動車産業では、部門全体では輸入が低下したが(1~11月の前年同期比で金額ベース3%減)、貨物自動車の輸入は15.4%増だった。市場では引き続き、輸入トラックが高品質と捉えられており、2018年もこのトレンドが続くと見られている。

 産業・商業省では、輸入全般を無条件に引き下げるのではなく、輸入依存度が特に深刻な特定品目のそれを引き下げることを目標に据えている。


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