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 今般発行された『ロシアNIS調査月報』(2017年5月号)で、私は「ロシアの『輸出志向輸入代替』は奏功するか」というレポートを執筆している。その中に、上掲のような図を掲載した。ロシア連邦国家統計局が、ロシアで小売販売されている消費財に占める輸入品の比率というデータを発表しているので、それを時系列的にグラフ化したものである。

 ただ、正直言うと、このデータには疑問点があった。一般的に「消費財」には食料品も含まれるが、ロシア統計局の資料は消費財と食料品を横並びのように示しており、もしかしたらこの「消費財」は食料品を含んでいない耐久消費財、衣料品、日用品等の非食品消費財なのではないかという疑問を抱いたのだ。

 そこで私は、ロシア統計局にメールで問い合わせをし、この統計の「消費財」には食料品が含まれているのか、いないのかということを照会した。統計についての疑問に加えて、ロシア統計局がこういう問い合わせに対してちゃんと対応してくれる組織なのかという関心もあった。残念ながら、回答は10日ほど経っても来なかったので、私はやむなく、本件がうやむやなままレポートを仕上げ、印刷に回さざるをえなかった。

 ところが、雑誌が発行された後になり、今般ようやく、ロシア統計局からのきちんとした回答がメールで返ってきた。結論を言えば、「消費財」には食料品も含まれるということだった。上掲図の中の「食料品」は、「消費財」の一部だったわけである。まあ、普通に考えれば、当然そうだろうとは思うが。というわけで、ロシア統計局は、時間はかなりかかるものの、一応は外国人のメールでの問い合わせにも対応してくれるような組織であることも確認できた。


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