ウクライナがこれだけ低賃金国家になると、これからますます欧州のアパレル下請け国家として名乗りを上げるようになると予想される。そんなわけで、こちらに出ているウクライナ・アパレル産業の動向について、簡単に骨子をまとめておく。

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 ウクライナの衣料市場において、過去2年ほどの重要なトレンドは、ウクライナの消費者が国産品への関心を強めていることである。

 ウクライナ独立後の25年間で、軽工業の生産量は10分の1に低下してしまった。軽工業が鉱工業生産全体に占めるシェアも、20%から、0.8%へと落ち込んだ。2015年にも軽工業の生産高は8.4%低下した。しかし、品目別に見ると、成長しているものもある。2015年に靴下・ストッキングは20%増、女性衣料は0.8%増だった。

 2015年現在、ウクライナには軽工業企業が2,500社あり、うち1,900が縫製工場である。企業数が多いのはハルキウ州271、リヴィウ州237、フメリニツィキー州152、ドニプロペトロウシク州104、キエフ州97などである。

 過去15年ほどは、ウクライナ軽工業は委託生産に注力している。生産全体に占める委託生産の比率は80~90%に上るという。New Look, Marks & Spencer, Next, Laura Ashley, Top Shop, Zara, Mexx, Triumph, BCBG, Esprit, Hugo Bossといったブランドのアパレルがウクライナで生産されている。それらはドイツ、イタリア、ポーランド、英国などに輸出されている。

 ウクライナの国内市場は、1,200億グリブナほどの市場規模がある。2015年の軽工業製品輸入額は18億ドルで、前年比27.3%減だった。ウクライナ国内メーカーにとって輸入代替生産の余地は大きい。ウクライナ国内生産にとって妨げとなっているのは、税制のまずさ、グレー輸入および生産、密輸である。ウクライナ生産者の80%は闇経済に従事しているので、公正な競争は成立しえない状況である。課税逃れをしている中国製品、トルコ製品の攻勢により、国内生産が圧迫されている。国内市場の67%が闇輸入または闇生産によって占められている。

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