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 カザフスタンのこちらの記事によれば、ヨーロッパのEurobserverというサイトに、ユーラシア経済連合が中国のシルクロード構想によって掘り崩される恐れがあるという趣旨の論考が掲載された由である(執筆者はシーブレン・デ・ヨングという人物)。ただ、私がEurobserverをざっと眺めてみたところ、どれがその論考なのか、突き止めることができなかった。ともあれ、紹介記事によれば、以下のような要旨ということである。

 ユーラシア経済連合にウクライナを引っ張り込むことに失敗してから2年が経ち、加盟国たちは、自分たちが加盟したことをすでに後悔し始めている。ユーラシアが求心力を失っている一因は、ウクライナ危機に際するロシアの振る舞いが、他の加盟国および加盟候補国に警戒感を招いた点にある。ロシアが他国をユーラシアに加盟させようとしているのは、それらの国の加盟を真に望んでいるのではなく、反対側の陣営を選択しないためにである。貴方のためではなく私のための主権というのが、ロシア流の統合だ。ベラルーシ、アルメニアといった国をユーラシアに招き入れるのは、ロシアにとって高くついている。他方、ロシアの経済難で、ロシアが地域全体の経済水準を引き下げているということを、他の国々は危惧している。ルーブル安でロシア以外の国々の競争力が打撃を受けており、通貨の切り下げに追随せざるえをえなくなっている。この他、ロシア以外の国々を苛立たせている問題には、ロシアが不明朗な衛生的理由で一部の農産物の輸入を禁止にしていること、ガスプロムおよびトランスネフチがライバルたちにパイプラインを使わせようとしないこと、輸入関税率をロシアの水準まで引き上げることを迫られたこと(中国からの輸入品に依存するキルギスにはとりわけ痛手)などがある。さらに、ロシアの不況で中央アジアからの労働移民が職を失っている。そうした中、中国がシルクロード構想を引っ提げ、中央アジアに460億ドルを投資する構えであり、ユーラシア諸国は素早く舵を切ることになる。ロシア指導部が状況を悟らない限り、ユーラシア経済連合の先は見えている。デ・ヨングは概要以上のように論じた由である。


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